暮らしのバトン

フクヤ建設 広報課スタッフが住まい手を訪ね、
みなさまの暮らしを通してBATON DESIGN WORKSの家づくりをお伝えします。

場所:徳島県三好市
床面積:110.13㎡(33.31坪)
完成:2021年1月

四国のほぼ中央に位置する徳島県三好市。
豊かな山間の自然に囲まれながらも、高知・愛媛・香川に接しているので、隣県まで通勤しているという人も多いのだそう。
フクヤ建設にもこの三好市から通勤している社員がいる。民間・公共事業部濵田だ。
一級建築士・一級建築施工管理技士の資格を持ち、社内外からの信頼も厚い工務部門の大黒柱。
今回、濵田自身の手で設計から施工管理までを手掛けたこだわりの自宅を訪ねた。
では、おじゃまします。

どこにいても家族の気配を感じられるように

2021年1月、フクヤ建設の公式InstagramからLive配信した濵田のお家紹介。
普段はフクヤ建設の工務を担っている濵田が、設計士としてどんなお家を建てたのか社内でも話題になり、「暮らしのバトン 〜番外編〜」としてインスタライブ 終了後に取材しよう! ということに。
今回はBATON DESIGN WORKS が手掛けたお家ではないが、フクヤらしい素材を使って個性的なデザインのお家を自ら建てた濵田にインタビューした。

石川:
「ご自分で設計されたということですが、設計にはどのくらい時間をかけましたか?」
濵田:
「家を建てたいとずっと考えながら頭の中でいろんなプランを思案してて…2階建とか平家のパターンとかね。
それがある程度まとまってきて、推考してきたものがパッと収まる瞬間がきて。
最終的にこのプランになったのは時間的には2~3日かな。
ただ、プランができてから細かいとこを決めるのは2~3ヶ月くらいかけてじわじわ考えた感じかなぁ。」
石川:
「外観を見てお家のかたちがすごくかわいいなって思ったんですが、コンセプトとかこだわったところはあるんですか? 
玄関周りの木材とかは住まいるパークの展示場と同じでしたけど、外壁の仕上げ方がちょっと違ってておしゃれでしたよね。」
濵田:
「外壁は普段はジョリパットの吹き付けやけど、今回はコテ押さえしてもらったからね。平坦な感じに仕上げてもらってる。」
濵田:
「家のコンセプトとしては…
リビングダイニングに家族が集うイメージで、ここを中心に各部屋が繋がる家。
どこにいても家族の気配を感じられるようなプランかな。」
石川:
「図面を見た時はものすごく個性的な間取りだなぁって思ったんですけど、勾配天井だから解放感があるし、廊下がないぶん面積以上に広く感じますよね。
この解放感のある広いリビングダイニングは家族で過ごすにはすごくいいなって思いました。
コロナの影響でお家の間取りなんかも少しずつ変化してきてると言われてますよね。」
濵田:
「そうやね、そういうことも関係してくるのかもなぁ。
うちは奥さんからのリクエストで、帰宅したらすぐに子供たちが手を洗えるように玄関入ってすぐ正面に洗面台を配置してる。」
石川:
「図面を見た時に、洗面台ここにしたんだって少し驚いたんですけど、洗面台を玄関近くに設置するお家はこれからちょっと増えそうな気がします。」
石川:
「この洗面台の後方に脱衣所がありますけど、結構ゆったりスペースを取られてますよね。奥の方が土間になってて。」
濵田:
「そうそう。子供たちが泥だらけで帰ってきてもここから出入りしてそのまま脱ぎ着できるし(笑)、下が土間なら靴なんかもこの洗面台で気兼ねなく洗えるしね。」
石川:
「この土間の洗面台、大きくてかわいいです(笑)。
あと、ここは脱衣所だけど広いし収納も多くて使い勝手が良さそうですよね。室内干しができるように物干し竿もついてるし。」
濵田:
「うちは共働きで夜に家事をする事が多いし、基本的に室内干しするから。
普段着なんかは洗濯から乾燥、収納までの一連の家事がここで完結するようにしてる。
毎日のことやし、やっぱり家事の負担は極力減るようにしたくて。」
奥さま:
「家事導線もですけど、それ以外にも普段の生活の中で話してたことを全部設計に取り入れてくれてましたね。
今まで言ってたことが全部入ってる。」
石川:
「おぉ、すごい! お客さま満足度が高い(笑)。」
濵田:
「ヒアリングがね、ちゃんとしてる(笑)。」
奥さま:
「もう何も口出しするところがなかったです(笑)。」

照明が一番難しかった

石川:
「リビングのソケットランプがちょっとレトロな雰囲気でかわいいなぁって思ったんですけど、建築中に照明で迷ってるっておっしゃってましたよね。
リビングも結構明るい空間になってますけど、照明は多めなんですか?」
濵田:
「そうやね。明るい方が良かったから割と多めにつけたんだけど、迷ったねぇ(笑)。
プランは何となくすぐイメージできたけど、照明は明るさの感じが掴み難くて…。
夜現場に行くことが少ないのもあるけど、本当に照明が一番難しかったなぁ。
今まであんだけ現場やってきたのに、もうちょっとちゃんと見よったら良かったなって思った(笑)。」
奥さま:
「暗いかもしれんてずっと言いよったね。」
濵田:
「最初はクリアじゃなくてもっと明るい白の電球やったけど、つけた瞬間にめっちゃ眩しくって。
これはイカン…! と(笑)。」
奥さま:
「そうそう、眩しくて目も開けられんくらい(笑)。」
石川:
「明るさがどうなんかなっていうところで迷ってたんですね。
でも、お庭側の窓がすごい大きく開いてるから昼間はリビングも明るくていいですよね。」
濵田:
「南側にはお隣さんの家が建つのが分かってたし、東側から光が取れるように設計してるからね。」
石川:
「東側だけじゃなく、この天窓からも光が入ってきてますよね。
こっち側に天窓ってところがちょっと珍しいかなとは思うんですけど…。」
濵田:
「そうやね。天窓はあえて北側にとってる。
南側やとちょっと日差しが強い時に結局カーテンを閉めることになるし、そうなると勿体ないなと思って。
リビングダイニングが家の中心でちょっと光が入りにくい部分もあるし、常に自然光を取り入れたかったからね。
それに南の窓から北の天窓に風が吹き抜けていく感じにもしたかったし。」
石川:
「あぁ、なるほど。リビングの南側に大きな窓がありますもんね。風が通ると気持ち良さそう。
ただひとつ気になってたのが、その南側が土間になってるという(笑)。
その土間の真ん中に造作棚があるのがすごく個性的だなって思ってたんですよ。」
濵田:
「最初は普通のリビングやったんやけどね(笑)。
テレビ台の配置は南側にしようと思ってて、窓が欲しくていろいろ考えてたら掃き出し窓に行きついて。
そうなると出入りしたくなるよなぁって…最終的に土間にしてみた(笑)。まぁ、第二の玄関って感じかな。
造作棚にテレビ台を置く予定やし、外からの目隠しにもなるしね。」
石川:
「インスタライブでも “リビングに土間がある!” ってびっくりしてるコメントきてましたね(笑)。」
濵田:
「うん、確かにちょっと珍しいかな(笑)。」

家の中で一番いい場所

石川:
「お家の中でお気に入りの場所はどこですか?」
濵田:
「キッチン、それにロフトもかな。
全体的にこう…キッチンを家の中で一番いい場所にしたかった。」
奥さま:
「子供部屋も、お庭も、ロフトも、キッチンから全部見えるのが一番好きですね。」
濵田:
「キッチンは一番こだわったからねぇ。色んな家事の中でもキッチンにいる時間は特に多いと思うし、居心地のいい場所にしたくて。
だから、家の中で一番いい景色が見れるのがキッチン。
家族の姿も外の景色も一望できるし、広々した「抜け」を感じられる空間になってると思う。
炊事をしながらでも、ふと顔を上げた時に見える景色や会話を心地よく楽しめるような…ちょっとした幸せを感じられるような空間にしたかったんだよね。」
石川:
「そういう設計の思いを知るとキッチンに立つのが嬉しくなりますね。
今日のインスタライブでも “キッチンをもっと見たい” ってコメントがいくつかありましたけど、家事導線も本当によく考えられてますよね。
玄関からキッチンへも繋がってるのがすごい便利そうだなと思って。
地続きで土間になってるから汚れた野菜とかゴミとかを下に置けるし、両サイドにパントリーがあって収納もたっぷりできるし、ロールスクリーンで隠せるようにもなってる。
他にもこだわったところはありますか?」
濵田:
「カウンター下の素材をセメント調にしたとこかな。
この家全体の色合いが白と木の風合いを基調にしてるから、ちょっと違うテクスチャのアクセントをつけたくて。」
石川:
「あ、ダイニングの照明とすごく合ってておしゃれな雰囲気だなぁって思ってました!
ちょっとカフェっぽいというか、ショップみたいというか…。
キッチンのタイルもちょっとデコボコしててかわいいいし、ステンレスもいいですよね。」
濵田:
「素材感がいいよね。木のフローリングに対するステンの印象がいいなって思う。」
奥さま:
「あと、キッチンと和室が繋がってるのも嬉しい。
最初はあんまり見たことない間取りだなと思って “何で?”って訊いたら “料理しよる時にちょっと休みたくなったらパッと腰掛けられるよ” って言われて。
ちょっと小上がりになってるのも、あぁなるほどなって。
今でも休みたい時にダイニングの椅子に座ったりとかする時があるので…。
ちょっとしたことですけど嬉しかったですね。
石川:
「小休憩にちょうどいいですよね。小上がり部分が実は収納スペースになってるのも機能的ですし、リビング側から出し入れ出来るのも便利だなって。
あと、和室の障子を開けた時に正面側の植栽が見えるのが癒されますねぇ。」
濵田:
「季節の移り変わりとか色合いを楽しめたらいいなと思って。光も取れるようにしたかったし。」
石川:
「障子はワーロンですか?」
濵田:
「そう、うちは子供がまだ小さいしね。穴をあけられる心配のないように(笑)。
子供たちもこの和室が好きで気に入ってるから、アクリルワーロンにして正解やった(笑)。」
石川:
「奥さまは他にお気に入りの場所はありますか?」
奥さま:
「お庭がすごく気に入ってます。」
石川:
「お庭、広いですよね! お子さんも自由に走り回れるくらい本当に広い。
植栽もありますけど、何の木を植えてるんですか?」
濵田:
「落葉樹と常緑樹と…キンカンかな。玄関の方は山紅葉とかも植えてるけど。
普段フクヤでお願いしてる植栽屋さんのおすすめで全部お願いした。」
石川:
「本当にいつも素敵に仕上げてくれますよね。」
奥さま:
「私はお花が好きなんですけど、植栽屋さんにハーブ系でってお願いしておまかせで植えてもらってるものもあるので、これからガーデニングも楽しみのひとつです。
子供たちもですけど、楽しみなことが増えましたね。」
濵田:
「子供たちはロフトで本とか漫画を読むのを楽しみにしてるみたい(笑)。」
石川:
「確かにロフトは秘密基地みたいでワクワクしますね(笑)。」

父親の仕事を見る機会に

石川:
「奥さまはプランの段階からずっと知ってたんですか?」
奥さま:
「知らないです(笑)。
主人は “頭の中ではできとる”ってずっと言ってたんですけど(笑)。」
石川:
「それは公開されてはなかったんですね(笑)。」
奥さま:
「一切何にもされてなかったです。土地が決まったくらいに図面を見せてくれましたね(笑)。
濵田:
「自分で図面に起こしてからしてから公開した(笑)。」
奥さま:
「ただ、主人が描いたその図面から実際のお家が出来上がっていく過程がすごく楽しかったんですよ。
何もない更地のところから基礎ができて…とか、建築のひとつひとつの工程を見るのも興味深かったですし、子供たちとその様子を話したりするのも楽しかったです。」
濵田:
「子供たちとの会話はまたいつもと違った感じの盛り上がり方で面白かったよね。
現場やって家に帰ったら「今日はどこまでいった?」とか「何した?」とか子供から進捗確認されるから、毎回「今日はここまで進んだよ」っていう報告してた(笑)。
まぁ、住んでたところもここから近かったし、ちょこちょこみんなで現場を見に来てはいたんだけどね。」
奥さま:
「保育園の帰りとかにも見に来たりしてましたね。
もう何かする度に来てました(笑)。
一番下の子はその度にブロックとかトミカのショベルカーとかで現場の光景を家で再現してたんですよ(笑)。」
石川:
「かわいい(笑)。」
奥さま:
「あとは子供たちが父親の仕事を見るいい機会になってすごく良かったなぁと。」
石川:
「お父さんがどんな仕事をしてるのか実際の現場を見学できたりするのは教育にも良さそう。子ども参観日みたいですね。」
奥さま:
「そうですね(笑)。それに、子供たちが色んな方にお会いできたのも良かったです。」
濵田:
「職人さんね。子供が職人さん達の服装を真似したりね(笑)。」
石川:
「面白い(笑)。職人さん達も楽しいメンバーだったんですね。

では最後に、設計も施工も担当されたご主人にご家族から何か一言ありましたら(笑)。」
お子さまたち:
「広い! ありがとう!」
奥さま:
「そうやね、お母さんもそれしか思いつかん(笑)。
本当にありがとうございます(笑)。」
取材後記

「大丈夫?これいける?(笑)」と思わず濵田が確認してしまうほど、元気いっぱいのお子さまたちがお家の中をかけまわっている中で行われた今回のインタビュー。
濵田家3兄弟のパワーにインタビュアーの石川もフォトグラファーの前田さんも「すごい!」と圧倒されながら、これまでで一番にぎやかで笑いの多い取材となりました。

また、インスタライブではたくさんの方に視聴していただき、コメントでのリクエストに出来る限りお応えするかたちでお家の隅々まで見ていただくことができました。
たくさんのご視聴・ご質問をいただき、誠にありがとうございました!
今回ご紹介したインスタライブのアーカイブは民間公共建築公式IGTV、またはフクヤ建設公式YouTubeよりご視聴いただけます。
ぜひ、ご覧ください。

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フクヤ建設株式会社 民間公共建築(@fukuya.public_private)がシェアした投稿

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