暮らしのバトン

フクヤ建設 広報課スタッフが住まい手を訪ね、
みなさまの暮らしを通してBATON DESIGN WORKSの家づくりをお伝えします。

場所:香南市野市町
床面積:122.55㎡(37.07坪)
完成:2018年4月

香南市にある、緑豊かな畑に隣接した藤村さんのお家。
南向きの正面のお庭はテントを張ってもまだ十分に広く、柔らかな芝生が広がっている。そのテントの中から小さな女の子が笑顔を覗かせていた。
キラキラした笑顔で私たちを迎え入れてくれたのは、このお家に住む藤村さんの長女みぃちゃんだ。
こんにちは、今日はどうぞよろしくね。
では、おじゃまします。

個性的な間取りがうちにピッタリ

藤村さんご一家は、ご主人の正和さんと奥さまの由さん、7歳になるお兄ちゃんのまっちと妹のみぃちゃん4歳の4人家族。
ご主人の職場異動を見越して、ご実家のある野市町でお家づくりの計画を立て始めたのだという。
そんな時に出会ったのが住まいるパークにあるフクヤ建設のモデルハウスだった。

由さん:
「住まいるパークに行った時に、いいなぁって。でも、このお家良さそうやけど高いんやろうなぁって…。うちにはちょっと現実的じゃないかなぁと思ってたんです。
ただ、室内の雰囲気とかすごく好きやったんで、まぁ参考にはさせてもらおうと思いまして(笑)。その後に完成見学会に2回行ったんやったかなぁ? 1軒は同じ野市のお家で…。」
石川:
「あそこはニラ農家さんのお家でしたね。あのお家も藤村さんを担当させていただいた片岡*の設計でした。藤村さんのお家にも使われているオーク材を使ったデザインでしたね。」*フクヤ建設のリノベーションチーム「Root renovation」設計士 片岡 亜希
由さん:
「あそこがすごく良くて。でも、その時もそんなに現実的ではなかったんですけどね(笑)。
その後、片岡さんに図面を描いてもらったらそのプランがすごく良くって。」
石川:
「プランが気に入った…という感じですか?
変わった感じの間取りですもんね、他にないというか。」
由さん:
「そう、プランが良かったですね。間取りも個性的で他にあまりない感じやけど、うちにはすごくピッタリやなと思ったんです。」
石川:
「この敷地にピッタリというか、ご家族の暮らしにもピッタリな感じですよね。
私も自社で平家を建てて完成見学会もしたんですけど、実は場所も時期も藤村さんと結構近くって(笑)。」
由さん:
「え、そうなんですか? …あぁ! こっちですみたいな見学会の看板は見たかも! めちゃくちゃ近所じゃないですか(笑)。」
石川:
「はい(笑)。私自身が東部に住んでるので自然と東方面のお客さまが多いんですけど、お客さまの中でもここら辺の道を通る人は意外と多いので“フクヤさんの外観て印象的やき、見覚えある”っていう方が結構多くて。
藤村さんのお家も、パっと見じゃ40坪近い平家には見えんというか…玄関もシンプルですし、ちっちゃい平家なんかなぁ? って思う方もいるかもしれないですけど、実際は全然また違った感じで…すごい広いですよね。この土地は購入されたんですか?」
由さん:
「いや、ここは主人の父が半分だけ宅地申請してある土地を昔から持っちょって。
全部畑として貸しちょったがですけど、私たちが建てるんやったらどうぞってことで。土地代がかからんかったからフクヤさんでもまぁなんとか…。やっぱり、土地プラス建物とじゃなかなか…ねぇ(笑)。」
石川:
「結構うちは高いので…(笑)。土地がないと…っていうお客さまはいらっしゃいますね。
でも最近は若いお客様も増えてきて、20代半ばくらいで土地1千万と建物3千万…4千万近く借入される方もいらっしゃるのですごいなぁって思います。」

大工の井上さん

由さん:
この土地はもともとが半分畑やったので、建築中にもここの畑には来てました。
畑をちょっと耕しもって大工さんの作業してるところを見ながら…みたいな感じで。
私も工作したりとかいろんなことするのが好きなんで、すごく興味深かったですねぇ。大工の井上さんもお話が面白くて楽しい方でしたし。」
石川:
「井上さん! それは楽しいですね! 井上さんは子供が大好きな方ですよね。」
由さん:
「そうそう! 子供が来るたびにいつもジュースを買ってくれるんです。だけど、うちも差し入れにお茶とかジュースとか持ってくるから、ジュースだらけになってしまって(笑)。
本当にすごくいい大工さんにしてもらって楽しかったです。」
石川:
「本当に腕がいいというか。しかももう20年とか30年とかずっとうちの仕事をやってるので、細かいところまで行き届いてるというか…。
井上さんが入ったら間違いないねって言われている大工さんです。」
由さん:
「もう安心してお任せしてました。」
石川:
「大工さんがお家を建てている様子を見ながらも畑のお手入れはずっとされていたとおっしゃいましたが、本当にたくさん植えてらっしゃいますよね。何を植えてるんですか?」
由さん:
「ジャガイモ、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、カブ、人参、玉ねぎ、ほうれん草、大根…。野菜は主に私でイチゴと花は主人です。
この畑で野菜を収穫して、外でちょっと洗ってそのまま勝手口からキッチンに…すごく導線がいいです。」
石川:
「水回りがこっちにまとまってる感じで使いやすそうだなぁって思いました。」
由さん:
「うん、平家なんで家事をするにも動きに無駄が出ることは基本的にはないんで
すけど、やっぱり使いやすいですね。」
「ただいま~」
由さん:
「おかえり〜、お客さんですよ。
みぃちゃんは畑のほうに遊びに行っちゅう。」
石川:
「お兄ちゃん帰ってきましたね。
あ、ちゃんとランドセル置き場があるんですね。」
由さん:
「そうなんです。宿題とかは上の子は完全にこっちでやってるんで、だからランドセルとかも置いて…まぁ、あんまり置かないですけどね(笑)。下にバーっと(笑)。」

片岡さんのセンスが好き

石川:
「ここのタイルや家具なんかは藤村さんのご要望だったんですか?」
由さん:
「いや、もう私は片岡さんのセンスが好きやったので、もうほぼ片岡さんの提案通りというか…。
最終的にはタイルの色とかは選ばせてもらいましたけど、大体提案してもらった通りですね。クロスの色とかも…建具とかサッシの色も…。」
石川:
シナベニヤは前回建てた住まいるパークのモデルハウスで建具に使ってて…」
由さん:
「バトンハウスはラワンベニアですよね。」
石川:
「今は結構その二極化してますね。どっちが好きかみたいな感じで。
オークの床材と合わせるのが設計としては難しいみたいなんですけど、藤村さんのお家もとてもきれいにまとまってますよね。
よく他のお客さんへの参考に、施工事例としてご紹介させていただいています。
他にこだわったところはありますか?」
由さん:
「南のデッキのアイアンの手すりかなぁ。洗濯物を干すにも重宝しますし(笑)。
外から見た時に黒がピシッと締まって、すごくカッコよくしてもらって…気に入ってますね。
あと、寝室の床材をスギにしてもらってるんですけど、夏ものすごく気持ちいいなって思って。じっとりしないしずっとサラサラしてて。」
石川:
「冬もあったかいですよね。オークと対照的な材なんで、余計に違いが分かるのかなと思います。」
由さん:
「個室以外はオークなんですが、硬くて冬場とかはちょっとヒヤッとしますね。
夏も若干やっぱりしっとりするんですけど、スギは全然そんなことはなくて気持ちいいですよね。」
石川:
「はい、気持ちいいなと思いますね。私もスギの足触りがすごい好きなので自宅は全部スギにしました。
でも、見た目がどんな家具にも合うっていうのがオークの良さでもありますよね。
こう…ちょっとシュッとするというか、スギって場合によってはほっこりしすぎてしまうことがあるので、雰囲気的に高年齢っぽい印象を持たれる方もいらっしゃいますし…。」
由さん:
「うちは猫も子供もいるのですぐ傷だらけに(笑)。別にバリバリやりよるわけじゃないんですけど、ただ走ったりするだけでも傷になってしまう(笑)。」
石川:
「スギだと大変ですよね(笑)。
子供さんがまだ小さいとお家の中でも元気いっぱいでしょうし(笑)。外で遊んだりする時は南のお庭が多いですか?」
由さん:
「うーん…北側で遊ぶ方が多いですね。お友達が来てああいう風にテント張ったりしたら南側でも遊ぶんですけど…。北側だと車がほとんど来ないので、みんなで畑で遊んだり…。こっちだと窓があるので目が届きやすくて安心です。子供が遊んでるのをちょっと気にしながら家事ができるので。」

子供部屋もアトリエに

石川:
「お子さんの成長と共に変化したことはありますか?」
由さん:
「そうですねぇ…。自分の部屋はそれぞれあるんですけど、もともとお兄ちゃんは自分のおもちゃ部屋みたいな感じとして使ってました。普段遊ぶ時はわりとリビングでおもちゃ持ってきて遊ぶことが多いので…。だからおもちゃ置き場みたいになってます。」
石川:
「ちょっとした納戸的な感じというか(笑)。」
由さん:
「そうそう(笑)。下の子は、もともとそんなにおもちゃもなかったし、お兄ちゃんと一緒に遊ぶのであんまり使ってなかったんですけど、最近は“自分のお部屋”っていう意識が出てきて、自分のおもちゃを片付けて置いたりとかしてますね。」
石川:
「個室を子供さんが使うようになってきたんですね。寝る時はみんな別々ですか?」
由さん:
「寝室で主人と子供が3人で寝てて、私だけこっちの和室で寝てます。和室が私の寝室です(笑)。
下の子の卒乳になかなか時間がかかって夜中何度も起きちゃう時期があったので、ちょっと私だけこっちで寝るようにしたんです。そしたらもう今ではそれが習慣化してますね(笑)。」
石川:
「そういう時にやっぱりこういう予備室的なものがあるといいですよねぇ。」
由さん:
「そうですね、すごい助かりますね。
普段はこっちのリビングと和室が繋がっているので、ほぼこの和室もリビングとして使ってて、夜は主人もここでストレッチとか体幹トレーニングとかしてます。ゴロンと寝転びやすくていいですよね。」
石川:
「いいですよね。和室は敷物を敷いたりしなくていいのでヨガとかストレッチをしやすくていいっていうお客さんも増えてきてます。
お子さんの部屋の隣はアトリエになってますが…?」
由さん:
「大学の時から私が漆塗りを続けてやってて、実は子供部屋も私が制作をするためのアトリエなんです。ゆくゆくは子供部屋もアトリエとして使うことができるような間取りになってますね。
今は出産を機にちょっとお休みしています。来年か再来年には再開したいなぁと思っていて、一応少しずつ整えてはいるんですけどね。ちょっとまだなかなか始められなくて…。」
石川:
「ものづくりがお好きだとおっしゃっていましたが、漆塗りをされているんですね! お子さんに何か作ってあげたりもされますか?」
由さん:
「そうですねぇ…あ、まっち! まっち、ちょっと日輪刀見せちゃる(笑)?
日輪刀持ってきちゃって。
今、鬼滅の刃の日輪刀のおもちゃが売ってるんですよ。上の子がもうすぐ誕生日なので、それが欲しいって言うんですけど、ちょっとあんまり…う〜ん…だったので、じゃあもうカッコいいのを作っちゃおうかと(笑)。動画で作り方を見て…最近はそれをずっと作ってました。」
石川:
「え〜!すごいっ! めちゃくちゃ本格的! 想像の何倍も本格的でした(笑)。
奥さまが作られたんですよね? すごい…っ!」

何に使おうが自由なので重宝しています

石川:
「このダイニングカウンターは結構珍しいと思うんですけど、実際使い勝手はどうですか?」
由さん:
「使い勝手は悪いことは何もなくって、配膳はしやすいし、キッチンとダイニングカウンターがフラットなので掃除もしやすいですね。
食事に使おうが勉強に使おうが、この半分を何に使おうが自由なので重宝しています。ただ、お客さんが座ったらシンクの中が見えるのでそこは少し気を遣うかなぁとは思います。」
石川:
「結構このダイニングテーブル塗装強めにかけてますね。ウレタンがガッツリとのってる感じで。全然滲みないですよね」
由さん:
「滲みないですね。でもわりと食器ガーガーやったりするし…傷は付きますね。」
石川:
「結構…はじめはソワソワしますよね。」
由さん:
「そうそう(笑)。私はちょっと気になるんですよ。
あ…傷が…って思うんですけど、主人とかは全然気にならんみたいで、でっかいもんとかも結構ガーっと引っぱるんで(笑)。あぁ…っ! と思うけど…なんかもういいかぁと(笑)。」
石川:
「でも傷は全然目立ってないですね。
ここは床も素材を貼り分けてますか?」
由さん:
「はい、汚れを拭きやすい素材がいいかなと思って。やっぱり掃除がしやすいですね。この下はいつも雑巾掛けというか水拭きするんですけど、オークは水拭きすると拭きあとが残るんですよね。
シンク周りとかだと余計に汚くなるだろうなと思って、こっちの素材で良かったなと思います。」
石川:
「貼り分けたいという方は多いです。全体が繋がった感じの間取りだと少し違和感が出てきてしまって…。なかなかご要望にお応えできなかったりもするんですけど…。
メンテナンスはどうされてますか? 木ってもっとメンテナンスしないといけないのかなって思われがちですけど、意外とそんなに特に手間のかかることはないですよね。」
由さん:
「そうですね、デッキはさすがに雨ざらしなので色が落ちてきたりとかはありますけど…まだメンテナンスはしてないですね。よく歩くあたりはガサついてきたのでそろそろせないかんのかなぁって思ったりもしますけど…まだそこまで気になるほどではないので。」
石川:
「藤村さんはすごく器用ですし、メンテナンス作業もやるなら自分たちでやりますか?」
由さん:
「1回自分でやってもいいかな?って感じです(笑)。」
石川:
「メンテナンス用のオスモという自然塗料があって、ホームセンターとかでも売ってるのでぜひ一度チャレンジしてみてください(笑)。」

だから凄いですよね、片岡さんて

由さん:
「私がフクヤ建設さんに決めたのも“この土地でこういう生活をしたい”というイメージにピッタリ合うプランを提案してもらったことが大きいです。
片岡さんにプランを出してもらった時、事前に一緒に土地を見に来てくれて意見を聞いてもらったんですけど、当時はフクヤさんにお願いしようという気持ちはそこまで大きくはなくて…あまり細かくはお伝えしてなかったんですね。
だけど、そのざっくりした説明だけで本当にしっくりくるプランを出してくれたんです。
実際それまでは他の工務店さんで別のプランが進んでたんですけど、何だか少しピンと来ない感じで…生活のイメージが全然湧いてこなかったんですよ。
…だから凄いですよね、片岡さんて(笑)。」
石川:
「お客さまとの相性も感覚的なものではありますが、家づくりは何もないところからスタートするので、設計士と価値観が一致しているというのはすごく大事ですね。」
由さん:
「実は、仮契約まで話が進んでいたところがあったんです。だからそれを“え?今更これ断るの?!”という感じではあったんですけど…。片岡さんにプランを提案してもらった後は“もうこっちにこのプランがあるんやもん! 全然違うしこっちにせないかんやろ”と(笑)。」
石川:
「家づくりの過程は本当に細かいことが多いですし、平面図を見ても想像しづらい方も多いと思います。結局は“お任せします”という気持ちがないと不安ばかりになってしまうので、そういう関係性は大切なポイントのひとつかなと思います。」
由さん:
「価値観や好みの感覚が似ているというか、ものづくりもそうですが家づくりも
同じように、そういう方との出会いというのはとても重要だなと実感しました。
フィーリングがピッタリ合う設計士さんと出会うことが大事かなと思いますね。」
取材後記

暖かい午後の日差しの中、1人の女の子の笑顔に迎えられて始まった藤村さんのインタビュー。
撮影が全て終わる頃にはすっかり日も暮れて、長時間の取材撮影となりました。
夕景に見る藤村さんのお家は、日中の穏やかで家庭的な雰囲気よりもさらに個性的で洗練された印象になり、スタッフからも思わず「素敵…っ!」と、ため息が漏れるほど。

“この土地でこういう生活をしたい”そうおっしゃった藤村さんの言葉に、お家づくりは土地と人を繋ぐ大事な役割も担っているのだなぁと改めて感じられる取材でした。

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